歯周病治療

歯ぐきが腫れている場合には、多くの場合、歯周病が原因となっていることが多いです。

その他の病気でも歯ぐきが腫れることもありますので、レントゲン撮影・口腔内診療を行って鑑別し、歯周病と診断された場合、歯周病治療を開始します。

1. 診査

問診
歯周病は他の全身疾患とのかかわりや、常用薬による影響があることがあります。現在の健康状態についてもお話を伺いますが、現在のブラッシングの習慣についてのお話も伺います。

口腔内写真撮影
初診時のお口の中の状態を写真で保存し治療経過の説明や治療の状態を確認するのに使用します。

レントゲン撮影
歯周病の進行の程度は、同じお口の中でも歯によって異なります。お口全体のパノラマレントゲン撮影や、14枚法という、より精度の高い撮影を行います。重度の歯周病の方には、3次元エックス線断層撮影(CT撮影)を行うことがあります。

歯周ポケット検査
歯周病は、同じ歯でも場所により進行の度合いが異なります。この進行度合いを知るために、歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)にプロ―べという器具を入れ、歯周病の程度を評価します。また、この際、測定時に出血するかどうかをチェックします。ポケットは3mm以下で、出血がないとき健康とみなします。

歯周ポケット検査
歯周ポケット検査
歯周ポケット検査

ごく軽い力で『プロープ』という器具を歯周ポケットに挿入します。 深さを測ったり、歯や歯ぐきの内側を触って状態を確認します。 歯周ポケットの深さや出血などから歯周病の進行程度や炎症の有無がわかります。

動揺度検査

歯がどの程度揺れてしまうか、度合いを検査します。歯をピンセットなどで押さえ水平方向・垂直方向に揺らして評価します。

2. 治療

初期治療 プラークコントロール、歯内縁上歯石の除去
基本的なブラッシングの方法や、歯ブラシの選び方など、補助的な清掃用具の使い方等を覚えて頂きます。歯周病はほとんどの場合、奥歯の歯と歯の間の磨きにくいところが進行しています。治療のスタートは歯ぐきの上に見える部分のクリーニングから始めます。痛んだ歯肉や歯の表面を傷つけないように、ポケットの浅い部分のプラークや歯石を、無理せず簡単に除去できるものから除去します。

再評価、SRP
再度ポケット検査を行い、検査の結果に基づいて初めに決定された、治療計画の変更が必要かどうか、再度検査します。
次の治療は、SRP(スケーリング ルート プレーニング)と呼ばれています。この処置はポケット内部の歯根表面についた歯石や細菌性の汚染物質を、徹底的に取り除く治療法です。
この処置はポケットの深い部分を触りますので、麻酔を必要とする場合があります。

再評価
処置の終了から歯肉の治癒期間を考慮して、再度ポケットの深さ、出血の有無を検査します。初期から、中等度の歯周病はほとんどがここまでの処置で治すことができます。

歯周外科手術

歯周外科手術
ここまでの治療が終わっても5mm以上のポケットで出血を認めるか、6mm以上のポケットがある部位では、骨の形態をみて、外科的にポケットを浅くする手術が必要になります。最も一般的に行われる手術は、歯肉剥離掻爬術(FOP)と呼ばれる手術です。簡単にいうと、これは歯ぐきを開いて、根の表面を直接見て、汚染物質を完全に取り除くと共に、ポケットを浅くする手術です。

症例により歯周組織再生医薬品リグロスを使用することがあります。(保険適応です。)このリグロスという医薬品は、日本で開発された世界初の再生医薬品です。
リグロスの主成分は細胞を増やす成長因子で、この成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の再生を促進する治療です。

歯周剥離掻爬手術で、プラーク・歯石などを取り除いた後に歯槽骨欠損部(歯根面)にリグロスを塗布し歯を支えている歯周組織の再生を促します。

補綴処置

以上の一連の処置が全て終了し、歯肉の健康が完全に取り戻せた段階で初めて冠などの最終的な被せ物を作る、補綴処置にはいります。

メインテナンス
歯周病の再発を防ぐためには定期的なメインテナンスが不可欠です。3ヶ月から4ヶ月に1回程度のメインテナンスが必要です。

2. 治療

3. 歯周病と全身疾患の関係

歯周病は細菌の感染症です。生活習慣病とも言われ、タバコ・ストレス・悪習癖など歯周病を悪化させる因子は様々ですが、その直接の原因となるのは細菌です。

近年、歯周病と全身疾患の密接な関係が明らかにされてきました。歯周病の原因菌は、お口から体内に侵入することで、様々な疾患を引き起こします。体内に細菌が侵入する経路のほとんどは、お口を通して起こります。お口の中をきれいにし、歯周病を治療・予防することは、全身疾患の予防にも繋がるのです。義歯に付着する汚れの正体も細菌類です。義歯をきれいに保つことも全身の健康のためには大切です。

  • 歯周病と関連のある全身疾患
    糖尿病
    心臓疾患・動脈硬化
    肺炎
    低体重児出産・早産
    骨粗しょう症、腎炎、関節炎 etc
  1. 糖尿病
    血糖値の高い状態が長く続くと歯周組織に炎症を起こしやすくなるだけでなく、歯周病の進行を早めることが知られています。
    糖尿病を治療することで歯周病が改善しますが、逆に歯周病を治療することで糖尿病が改善すると言われています。
  2. 心臓疾患、動脈硬化
    歯周病の原因となる細菌の毒素(歯周病原菌)が、血流により血管壁に感染し動脈硬化を引き起こします。 
  3. 肺炎
    口腔内物質が食道を通らず、誤って気道に入ってしまい歯周病原菌が肺や気管支に感染して発症します。ご高齢の方の寝た切りの方に多く見られます。
    お口の中の衛生状態と肺炎には深い相関性があるといわれており、お口の中を清潔に保つことがリスクの低減につながります。 
  4. 低体重児出産、早産 
    歯周病に羅患している部位から毒素や炎症性物質が血液中に入り、胎盤を刺激すると胎児の成長に影響を与えたり、子宮の収縮を促すなどのため低体重児や早産のリスクが高まることが明らかになっています。
    母親が進行した歯周病にかかっている場合、低体重児を出産する率が7倍以上になるともいわれています。
    歯周病を未然に防ぎ、軽度のうちにしっかり治療して、丈夫な子どもを出産して頂きたいものです。

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