歯周病治療

歯周病は歯に付着した細菌性プラーク(バイオフィルム)によって引きおこされる、炎症を伴う感染症です。
歯周病は「歯肉炎」(炎症が歯茎のみにとどまっている状態)から始まりますが、進行すると歯周組織の破壊を伴う「歯周炎」となり、放置すると歯の喪失に至ります。

歯周病治療の主な目的は、その原因である歯肉縁下(歯肉辺縁より下方の部分)のバイオフィルムを除去し、歯肉縁上(歯肉辺縁より上方の部分)のプラークコントロール(適切な歯垢の除去)によって、歯周組織の健康を回復し、再感染を防ぐことにあります。

1980年代、イエテボリ大学のLindle教授らスカンジナビアのリサーチグループは、徹定的なプラークコントロールを中心とした非外科的処置や、正確な外科処置、そして必要に応じた抗菌薬の応用という、「スカンジナビアン・アプローチ」を提唱しました。
当院では、イエテボリ大学へ留学されていた、尊敬する先生から歯周病治療を学び、スカンジナビアン・アプローチの考え方に沿って、治療を実践していきます。

1. 診査

問診
歯周病は他の全身疾患とのかかわりや、常用薬による影響があることがあります。現在の健康状態についてもお話を伺いますが、現在のブラッシングの習慣についてのお話も伺います。

口腔内写真撮影
初診時のお口の中の状態を写真で保存し治療経過の説明や治療の状態を確認するのに使用します。

レントゲン撮影
歯周病の進行の程度は、同じお口の中でも歯によって異なります。お口全体のパノラマレントゲン撮影や、14枚法という、より精度の高い撮影を行います。

歯周ポケット検査
歯周病は、同じ歯でも場所により進行の度合いが異なります。この進行度合いを知るために、歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)にプロ―べという器具を入れ、歯周病の程度を評価します。また、この際、測定時に出血するかどうかをチェックします。ポケットは3mm以下で、出血がないとき健康とみなします。

ごく軽い力で『プロープ』という器具を歯周ポケットに挿入します。 深さを測ったり、歯や歯ぐきの内側を触って状態を確認します。 歯周ポケットの深さや出血などから歯周病の進行程度や炎症の有無がわかります。

動揺度検査

歯がどの程度揺れてしまうか、度合いを検査します。歯をピンセットなどで押さえ水平方向・垂直方向に揺らして評価します。

2. 治療

初期治療 プラークコントロール、歯内縁上歯石の除去
基本的なブラッシングの方法や、歯ブラシの選び方など、補助的な清掃用具の使い方等を覚えて頂きます。歯周病はほとんどの場合、奥歯の歯と歯の間の磨きにくいところが進行しています。治療のスタートは歯ぐきの上に見える部分のクリーニングから始めます。痛んだ歯内や歯の表面を傷つけないように、ポケットの浅い部分のプラークや歯石を、無理せず簡単に除去できるものから除去します。

再評価、SRP
再度ポケット検査を行い、検査の結果に基づいて初めに決定された、治療計画の変更が必要かどうか、再度検査します。
次の治療は、SRP(スケーリング ルート プレーニング)と呼ばれています。この処置はポケット内部の歯根表面についた歯石や細菌性の汚染物質を、徹底的に取り除く治療法です。
この処置はポケットの深い部分を触りますので、麻酔を必要とする場合があります。

再評価
処置の終了から歯肉の治癒期間を考慮して、再度ポケットの深さ、出血の有無を検査します。初期から、中等度の歯周病はほとんどがここまでの処置で治すことができます。

歯周外科手術
ここまでの治療が終わっても、5mm以上のポケットで出血を認めるか、6mm以上のポケットがある部位では、骨の形態をみて、外科的にポケットを浅くする手術が必要になります。最も一般的に行われる手術は、歯肉剥離掻爬術(FOP)と呼ばれる手術です。簡単にいうと、これは歯ぐきを開いて、根の表面を直接見て、汚染物質を完全に取り除くと共に、ポケットを浅くする手術です。
歯周組織再生剤リグロスを使用することがあります。

補綴処置

以上の一連の処置が全て終了し、歯肉の健康が完全に取り戻せた段階で初めて冠などの最終的な被せ物を作る、補綴処置にはいります。

メインテナンス
歯周病の再発を防ぐためには定期的なメインテナンスが不可欠です。3ヶ月から4ヶ月に1回程度のメインテナンスが必要です。

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