顎関節症の治療

顎関節症とは

顎関節症は、顎の関節や顎を動かす咀嚼筋に異常が起こり、「あごが痛い」、「口が開きにくい」、「音がする」、あるいは「ものが咬みにくい」といった症状が現れる病気です。
歯科医院を受診する動機は、顎関節の痛みを主訴とする人が圧倒的で、顎関節周辺や頬、こめかみが痛む場合もあります。
顎関節症は、日常生活の中で無意識に行っている習慣が原因となっていることが多く、これを自覚してあらためることで、予防や症状の緩和も可能です。快適な生活を送るためには、成り立ちを正しく理解し、きちんと手当てをすることが大切です。


顎関節症の自己チェック

表1に顎関節症の自己チェック、表2に顎関節症の発症に関わる生活習慣についてのチェックリストを挙げます。ご自身でチェックしてみて下さい。

表1 顎関節症の自己チェック  いくつか該当する人は顎関節症の可能性あり

食べ物を噛んだり、長い間しゃべったりすると、あごがだるく疲れる
あごを動かすと痛みがあり、口を開閉すると、とくに痛みを感じる
耳の前やこめかみ、頬に痛みを感じる
大きなあくびや、りんごの丸かじりができない
ときどき、あごがひっかかったようになり、動かなくなることがある
人さし指、中指、くすり指の三本を縦にそろえて口に入れることができない
口を開閉したとき、耳の前の辺りで音がする
最近、あごや頸部、頭などを打ったことがある
最近、かみ合わせが変わったと感じる
頭痛や肩凝りがよくする

表2 顎関節症の発症に関わる生活習慣  該当するものが多いほどなりやすい

「歯ぎしりをしている」といわれたことがある
起床時や日中に、気づくと歯をくいしばっていることがある
食事のときは、いつも左右のどちらか決まった側でかむ
物事に対して神経質な面がある
職場や家庭で、ストレスを感じることが多い
夜、寝付きが悪い、ぐっすり眠れない、途中で目が覚める


顎関節症の主要な症状

1.痛み

顎関節症の第一の症状は顎を動かしたときに生じる①顎の関節の痛み(関節痛)と②顎を動かす筋肉の痛み(筋痛)です。

2.開口障害

口を開けづらい状態を開口障害と表現します。
開口障害の原因とは、1)筋性、2)関節円板性(関節のクッションの役割)、3)関節痛性、4)癒着(関節周囲組織の癒着)があります。

3.関節雑音

口を開けたり閉めたりした際に、カックンとかガリガリ、ジャリジャリ、シャリシャリ、グニュといった雑音が生じることがあります。
関節雑音は痛みを伴う場合以外は治療の必要はありません。

顎関節症の基本的診査法と診断

以下の1)~5)の診査を行い、総合的に検討し診断します。 

 1)開口量測定
 2)下顎頭圧痛および関節頭運動状況診査
 3)下顎マニピュレーション 下顎頭滑走検査
 4)咬筋圧痛診査
 5)画像診断
   必要に応じてレントゲン撮影を行い、他疾患との鑑別をします。

顎関節症の原因と治療

顎関節症の原因と治療

従来は顎関節症の原因はかみ合わせの異常と考えられていましたが、顎関節症の原因は多因子でかみ合わせの異常もその一つと考えられています。
最も一般的な原因は日中、睡眠中のくいしばりと睡眠中の歯ぎしりです。
日中のくいしばりにに対しては、くいしばりが現在の病態の原因になっていることを理解してもらい、それを止めるよう指導します。
睡眠中の歯ぎしりに対しては、これを止めるのではなく、マウスピースを就寝中に装着してもらいます。
対症療法として、関節痛に対しては安静と負荷の軽減(硬い物を食べるのを控える、大きく口を開かない)を指示し、痛みの強い場合は鎮痛薬を服用してもらいます。
又、筋痛に対しては患部を温めたり、冷やしたりして刺激を与えることで、鎮痛や消炎効果をはかったり、筋肉のストレッチをしてもらいます。


セルフケア指導

あごに負担をかける生活習慣、しかも気づかずに行ってしまっているくせを洗いだし、改善していくことが顎関節症のセルフケアであり、治療において重要なだけでなく、発症を防ぐことにもなります。
顎関節症の発症や経過には生活習慣が深くかかわっているということを、患者さんに気づいてもらい、それをとり除く努力をしてもらわなければ症状は改善しません。
そこで認知行動療法の考えに基づいて、治療に参加していただき、日常生活のなかでセルフケアを行ってもらいます。


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